「忘却ストリップ」
何か忘れているような そんな気がした
何かが滅んだこと
何かを救ったこと
何かのせいにして
何かに溺れた
何かって何なんだ
真っ暗の世界で
未だ回らない頭を
ぐるぐる
ぐるぐるぐるぐる
回して 廻して
春を何回迎えたっけ
あの平凡な休日を何回過ごしたっけ
ずっと見守っていたあの人は誰だっけ
僕を誘い込んだあの猫は何だったんだ
ゴミと何かが撒かれた あの路地裏で
な に か が
何も思い出せない
大切な何かが ど ん ど ん 脱がされて いく
それでもこれだけは覚えていた
忘れられなかった
光に照らされた猫の あの瞳
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